両脚を開いてラウダを受け入れる。
普段使わない筋肉の僅かな痛みと共に受け止めた弟の体重。その心地よさにグエルはふっと笑みを洩らした。その拍子に裡が収縮したのか、締め付けにラウダが眉根を寄せる。
限界へと駆け昇るように腰を打ち付けながら、ラウダは何度も兄を呼んだ。
兄さん、兄さん。大切なんだ、兄さん。
荒くなる呼気の中聞こえてきた言葉にかつての告白を思い出し、グエルは再び表情を和らげる。
「……兄さん?」
ぱたり、グエルの胸に大粒の汗が落ちる。目元まで赤く染めたラウダは髪を耳にかけながら「どうかしたの」と尋ねた。痛みや苦しさは無さそうだが、少しでも兄の様子がおかしければ中断も辞さない。そんな弟の様子に焦れつつ、グエルは気恥ずかしそうに「その、」と口にした。
「俺が……スレッタに告白した時と同じ言葉を言うから……兄弟ってこんなとこまで似るのかと嬉しくなっ、――ァ!?」
ばちゅん、肌のぶつかる音。奥まで貫かれたのだと眼前に散る火花が教えてくれる。
「っ兄さん、」
ほんの少し、低くなる声にグエルはむぐ、と口を噤んだ。まずい、これは。
「……ッ、今、他の人間のこと、考えないで……っ」
「だっ、おまっ、言えっ……てェ……っんぅ」
膝裏をぐっと押さえつけられ肺が潰される。息苦しさと快楽と、両方に襲われ形を成さない声が漏れた。今夜は寝かせてもらえないかもしれないと思いながらも、己を求めるラウダの妬心が嫌ではない自分に気付くとグエルはひっそりと笑い弟を抱き締めた。
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